自意識過剰な人々

 YouTubeを見ていると、「日本のここが凄い」とか、「世界が驚いた日本の◯◯」とか、「◯◯人に日本の◯◯を見せてみた(食べさせてみた)」とか、その手のタイトルをよく見かける。馬鹿馬鹿しいので動画自体は見ないが、おれはニッポン・バンザイ論と呼んでいる。お前自身がすごいわけでもなかろうに。

 海外で活躍する日本のスポーツ選手をやたらと取り上げたりもする。サッカーなら、ブライトンの三苫がどうした、レアル・ソシエダ久保建英がどうした、メジャーリーグなら、大谷翔平がどうした、という手合いである。サッカーにしろ、野球にしろチームスポーツのはずなのだが・・・。昔、田舎で出身力士を応援してた人たちじゃないんだから、と思う。

 一方で、日本はここがダメだ、とか、第二次世界大戦中の日本がこんなにひどかった、とか、ことさらにあげつらうような記事のタイトルを見かけることもある。自虐史観と呼ばれることもある。

 ニッポン(あるいは日本人)を自慢するにしろ、自虐するにしろ、どうも自意識過剰なんではないか、と思うのだ。

 日本人の価値観とか行動様式をある程度意識して、自分の考え方や行動を省みてみるのはそう悪いことではないし、もしかすると大事なことなのかもしれない。

 しかし、鏡で自分の顔を見ながらニヤニヤしたり、逆に落ち込んだりしている人間が滑稽なように、あんまり日本を自慢したり、貶めたりするのは滑稽におれは感じる。

 自慢も自虐も、馬鹿馬鹿しいと思うのよね。