近くに立ち飲み屋ができて、外から見たところ、仕事帰りのサラリーマンがふらっと立ち寄るような、なかなかいい感じの店である。客もそこそこ入っている。
しかし、店の名前がなんと「○○物語」だ。看板を見た時点で入る気が失せる。ファンシー化の暗黒雲は立ち飲み屋にまで広がっているのだろうか。
ナントカ物語、というのは、いろんな商品名に利用されている。何となくロマンチックな感じがして、お目々に星に違和感を覚えない人々をそこそこ惹きつけるのだろう。
しかし、チョコレートか何かならともかく、立ち飲み屋に「○○物語」はないだろうと思う。
「いい大人が」という言葉はまだ残っているけれども、感覚としては死滅の方向へと進んでいるのではないか。
世の中、女子供がヨロコぶものが増え――と一緒くたにすると女性はイヤな気がするかもしれないが、古風な価値観について書いているのでご容赦いただきたい――大人の男までそういうものへの抵抗感が薄れ、当たり前のように受け入れる人が増えているようだ。
ヤダヤダ、おれはお菓子の家になんぞ住みたくないヨ、と思う。
ついでに言えば、あの目玉の巨大な、瞳の形が人類とは思えない女の子の絵のはびこり具合も勘弁してほしい。気色悪く見えないのだろうか。
イヤなら放っとけ、というのが大方の意見なのだろうが、向こうのほうから勝手に目に入ってくるから困る。
いっそ「いい大人党」でも作って、選挙に打って出るか。
政権をとったら、ファンシーと目玉の巨大な女の子の絵を18禁にするのだ。この場合は、18歳以上禁止である。
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「今日の嘘八百」
嘘五百九十二 皇居をクリスマスの電飾で彩る計画があるそうだ。