ご承知の通り、人の悪口を言うというのは、少なくともその瞬間は楽しいものだ。
また、ブログ、掲示板というのは、人を引きずり下ろす、蹴落とすのに都合いいようにできている。引きずり下ろす、蹴落とす側の所在が曖昧だからで、霧で正体をくらましつつ相手を攻撃し、ウヒウヒウヒ、と暗い喜びに浸ることができるわけだ。
このページ、今週は思いのほか、蹴落とし週間になってしまい、人工的に作られた可愛い物やファンシーを蹴落とす次第となった。
もうひとつ、わたしの毛嫌いしているものが残っている。アニメ顔というのか、例の巨大な目玉を備えた面妖な顔である。
説明用に頑張って描いた。
描いていくうちに、悪寒と吐き気がしてきた。最後のほうはパソコンをゲロまみれにしながら、必死で描いた。
異常な顔である。
いや、もちろん、わたしの絵がヘタクソだからというのもあるが、それ以前に、根本的に異常な比率の顔だと思う。わたしの知っている人類とはこういう生物ではない。
これじゃあ、ちょっと土埃がたてばまともに目を開いていられないだろうし、夏の時分には羽虫が飛び込んできて大変だろう。おそらくは煙のせいでサンマを焼くこともできまい。
目が縦に長い、というのはメガネザルのように樹上生活には向いているかもしれないが、基本的に地表面で生活するには不都合である。あるいは、上方からの鳥の攻撃でも警戒しているのだろうか。
しかも、顔面の後ろに隠れている瞳は、こういう形状と推測される。
縦に長い瞳というのは、人類はもちろん、ほ乳類にも珍しいのではないか。
いやね、絵というのはデフォルメするものだということくらい、私だって承知している。古代エジプトの、顔が横向いて胴体が正面向いて足が横向いている絵だって変だし、浮世絵の美人だって変といえば変だ。
今日書いた蹴落としが、毛嫌いしているがゆえの難癖だということも。
しかし、この手の異常な顔がはびこるファンタジー世界では、少女がわざとらしく頬を染めて、こちらに訴えかけるような表情で媚びてくる。あまりに手口が安直ではないか。
それを何の疑問もなしに受け入れるのもどうか、と思うのだが。おお、ヤダ。おお、ヤダ。
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「今日の嘘八百」
嘘五百九十五 文明とは安直を目指すものだから、安直なアニメ顔がはびこるのも必然である。