紅白・続

 のっけから何だが、これから書くこと、政治を風刺したいわけではない。
 洒落を道具に政治をやっつけよう、なんていう新聞のコラムニストのような下品な真似を、わたしはしたくない。


 昨日、NHK紅白歌合戦はただの年中行事としてやっておればよい、というようなことを書いた。
 あっさり撤回します。


 紅白歌合戦
 これを、共産党自民党の歌合戦にしてしまうのだ。


 共産党が紅というのに、異論はあるまい。
 問題は、自民党が白か、という点だ。


 あれは昔っから灰色の人々の集団だろう、いや、真っ黒けだ、といろいろな意見があるだろうが、断言します。あれはシロです。なぜなら――そうしとかないと、先に進まないからだ。


 でもって、司会は民主党の小沢代表にお願いする。保守系、労組系、なんだかわかんない系、入り乱れた党のトップだから、ちょうどいいだろう。
 選挙になると登場する、有権者向けのあの切ない小沢一郎の笑顔を、年の瀬にたっぷりと楽しめるわけだ。


 女性の司会には、社民党福島瑞穂党首を起用する。小沢代表との、おそらくは全く噛み合わない司会ぶりを楽しみたい。


 でもって、共産党自民党の議員が交互に出てきて歌うわけだが、共産党は衆参両院合わせて18名だから、ほぼ全員出られる。
 自民党は出るのがだいぶ難しい。まあ、当選回数なり、選挙区のバランスなり、どの程度「若々しさ」を訴えるかなり、執行部が考慮して調整すればいいだろう。


 小沢代表による歌手紹介がひとつの見どころだ。
 「この山田君っちゅうのはね、僕がまだ自民党田中派にいた頃の仲間でね、いつだったかな、衆院選のとき、2億円ほどやりとりしたもんですよ。はっはっは」と、例の小沢スマイルでバラして、記者クラブやなんかが騒然とする。


 公明党は、途中の応援合戦に出てきて、神崎前代表を中心に何かパフォーマンスをやればいいだろう。
 問題は紅組の応援合戦で、出てくれそうな政党がない。元・全共闘の人達っていうのもちょっと違うだろうし、革マル派の人々というのも、かえってややこしくなって、まずいだろう。


 まあ、応援合戦の時間が与えられているのに、誰も出てくれない。志位委員長が「悪質な妨害行為があったんですよ!」と怒りを押し殺して訴える、なんてのも、共産党らしくていいかもしれない。


 国民新党新党大地(と言っても、鈴木宗男ひとりだが)の扱いが困るが、合間、合間の地方からの中継に郵便ポストのかぶり物かなんかを着て、出るといいんじゃないか。


 うーん、やっぱり、政治をネタにすると、風刺めいてしまうな。


 大トリは、紅組、共産党の場合、議員総出で「第三インターナショナルの歌」がいいだろう。


 問題は白組、自民党だ。
君が代」というのもちょっと違うだろうし、「ふるさと」なんかは、イメージは結構合っているかもしれないが、今ひとつ盛り上がりに欠ける。都市部の議員の問題もある。


 いっそ、自民党を支持しているのかどうかは知らないが、サブちゃんに登場いただいて「まつり」をやってもらおうか、とも考えたのだが、いや、調べてみるもんですね。知られざる名曲がありました。


 ジャーン。


自民党 - 党歌「われら」


 あたしゃ、もう、オープニングのファンファーレを聞いただけでシビれました。歌い出しの「♪われらのくにに〜」で、早くも失禁状態です。


 白組の大トリはもう、これしかない。安倍総理を筆頭に、出演議員全員肩を組んで歌っていただきたい。いっそのこと、早々に紙吹雪を舞い散らせてもいい。


 しかし、今は本当に21世紀なのだろうか。


 この紅白、2回は無理だが、1回だけなら、相当、話題になるよ。紅が勝つのか白が勝つのかも、国民がかたずを呑んで見守るに違いない。


 NHKさん、この企画、三千円で売るよ。


 なお、以下はおまけ。いろいろ検索しているうちに見つけた。


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 社内の回覧書類で、このポストイットに「至急検討願います。 安倍」なんてメモったら、ウケるにちがいない。

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「今日の嘘八百」


嘘四百四十六 なお、紅組が勝った場合は、ご褒美として翌年1年間だけ共産主義にします。