何週間か前に、JR東日本が山手線一周60分の壁を破ろうと頑張っている、という新聞記事があった。
まあ、頑張っていただきたい。
これは前から考えていて、あるいは以前、この日記に書いた――もしかしたら、二回くらい書いたかもしれないが、もはやぼうっとしてタソガレな私の脳髄。はっきり思い出せないし、読み返すほどのやる気もない。なので、かまわず、書くことにする。
いっそのこと、山手線一周分、まるまる車両をつなげてしまったらどうか、と思うのだ。
つまりですね、駅、駅間、全部、車両が続いている。連結してある。山手線一周、ぜーんぶ、車両。やろうと思ったら、車両から車両へと歩いていって、山手線を歩き通すこともできる。
ホームも当然、全部つなげる。線路の両側は、ずーーーーーーーーーっと、ホームだ。
電車は3分くらい走って、30秒くらい止まり、ドアを開ける。どこが何駅、ということもないから(あえて言えば、「山手線駅」というのがひとつだけある)、山手線内は運賃を統一して、各人勝手に近くの改札口から降りる。
最初は思わぬところで降りてしまい、ホームをだいぶ歩かなければいけない場合もあるだろう。しかし、慣れてくれば、どこで乗り、どこで降りれば会社まで最短距離で着けるか、経験的にわかってくるはずだ。
これで、電車を待つ必要はなくなる。いや、正確には電車が止まるのを待つ必要はあるが。
満員電車の混雑も相当緩和されるから、いいアイデアだと思うのだが、どうだろう。
と、ここまで書いてきて、「なんだ、おれがガキの頃、SFによく書かれていたベルト・ウェイは、これで実現できるじゃないか」と気づいた。
もちろん、歩く歩道――これでは歩道が歩き出すみたいだな、「動く歩道」だっけ?――ムービング・ウォークというのは、はるか昔に実用化されていて、乗っていると、なぜだか間抜けな気分になる。しかし、どれも短距離だし、ノロい。
こちらの山手線全周連結案は長距離で、速くて、しかも屋根付きだ。
調子に乗ってガンガン行くが、いっそ、本州沿岸部をぐるりと新幹線でつないでしまうとどうなるだろう。本州全体を輪になった新幹線が、300km/hオーバーでぐるぐる回るのだ。
まあ、確実に景観は破壊されるが、なに、どのみち、新幹線の走っているところはすでに景観がメタメタだ。