今日は、とりとめもなく、拙著「当面の敵」(ISBN:4794213794)について書く。
「とりとめもなく」と書きながら、まんまと宣伝してしまおうという下心は、巧妙に隠してある。
本が出てから二週間近くが経つ。
読んだ方からは、幸いにも、おおむね、いい評価をいただいている。ハマる人はハマってくれるようである。
極端なケースとしては、全身の機能の停止した人が一名、痙攣を起こした人が一名、弛緩して急性職場離脱症に陥った人が一名、報告されている。この人達がもし亡くなったら、私は業務上過失致死に問われるのだろうか。
意外だったのは、60代の私の母親から「面白かった」という感想をもらったことだ。
ただ、一番、面白かったのは「著者略歴」だそうで、ハテ、著者兼息子としてはどう考えればいいのだろう。
まあ、生んだことを後悔されなかっただけでも、よしとすべきか。
「読んでいて脱力する」という声も、しばしば聞く。
それがいいことなのかどうかはわからないが、「どうしてくれる!?」という文句は聞かないから、勝手に褒め言葉と受け取っている。
出版社にも、「心地よい脱力の世界へ」、「思わず力がぬける日本語」と、カバーや帯に記していただいた。
出版する前、単に日記として書いているときにも、そういう評価(なのか?)は時々、聞いた。
これは以前から不思議に感じていたことで、私は別に人を脱力させようと思って書いているわけではない。人間的にも、どちらかというと、ギスギスしているアブラゼミ男である。
人をリラックスさせたい、なんていう親切心はないし、人類をナマコ化したい、という野望を抱いているわけでもない。
まあ、イナモトの書くことが、世間一般の常識からするとあまりに実用性や有用性に欠けるから、そういうふうに言われるのかもしれない。
実用書というのはたくさん出回っているけれども、この本を、私は自信を持って「無用書である」と宣言できる。
また、本には、過去4年分の日記の中から、特に無用でバカバカしい文章を選んである。ある意味、かなりの濃縮度だ、と自負している。
脱力しようが、痙攣しようが、私としては、ただただクスリとでも笑っていただければ幸せである。これはマジメにそう思っている。
というわけで、今度の土日は、お近くの書店へ!
大きめの書店のほうが手に入りやすいかもしれません。
書店によって、「エッセイ」、「語学」、「サブカルチャー」といろんなコーナーに置いてあるので、探してみると、宝探しみたいで楽しいですよ!
無礼者を放っておくと、どんどん図々しくなっていきますね。
もちろん、ネット書店でも買えます。
さあ、勇気を出して、クリックだ! 騙されたと思って! 騙されたかもしれないが!
そうして、読み終わったら、褒めて、褒めて、褒めちぎっていただきたい。ウェブサイトを持っている人はご自分のウェブサイトで、持っていない人はまわりの人々に声を大にして。
もちろん、ウソで構わない。幇間(たいこもち)の一っ八と化して、扇子で額をポン、とハタき、「よ! 凄い!!」とやっていただきたい。
「そんなことして、何かいいことあるの?」と思うかもしれない。
もちろん、ある。私がいい思いをするのだ。
たまには、他人を救って、大乗気分を味わうのもいいもんですよ。ええ。