2008-01-01から1年間の記事一覧

起承転結考

起承転結というのは、元々、漢詩の構成法から来ているのだそうだ。 起で始まって、承で続けて(あるいは広げて/エスカレートさせて)、転でやややっ、となって、結でオチをつける。 起承転結の例としてよく出される、頼三陽の俗謡で言うと、 (起) 京の五…

おいしい名前

例によって唐突な話題でご容赦いただきたいが、おいしい名前というのがあるように思う。 口にしたとき、口の中に快感が広がる名前だ。精神的な快感ではなく、あくまで肉体的な快感である。 例えば、映画監督の、 リチャード・アッテンボロー なんてのがそう…

電脳サイバー・バーチャル空間

前々から疑問なのだが、インターネット上の表示物を「サイバースペース」と呼ぶ人達がいる。あれ、どうなのか、と思う。 体にピタリと張りつくレオタードみたいな未来服を連想させて(あれ、小腹の出た人も着るのだろうか)、実際との大きなギャップを感じる…

重い体

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ [DVD]出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ発売日: 2006/12/08メディア: DVD購入: 1人 クリック: 32回この商品を含むブログ (19件) を見る 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を見るのは20年…

悲しい色やね

相変わらず、世界的に株価は低迷したままのようだ。 ふと、何でもないようなことを思い出した。 だいぶ昔に、国際結婚した女性の書き込みをインターネットで見たことがある。 アメリカ人の夫は、NASDAQ市場で株式投資しており、株価が上昇していくグラフを見…

どんな貝になりたいのか

「私は貝になりたい」というが、いささか具体性に欠けると思うのである。 いや、貝になりたいというその意志を否定するわけではないが、ただそれだけでは漠然としていて神様も困るというものだ。 サザエかアワビかムール貝かバカ貝か。せめて巻き貝になるか…

SF/納豆スナッチャー

広義の醗酵というのは、食品に微生物が繁殖することなのだそうだ。つまり、現象としては「腐る」のと同じで、人間の役に立つものを「醗酵」、役に立たないものを「腐敗」と呼ぶらしい。 昨日のコメント欄にインスパイアされて、もし人体に納豆菌が繁殖したら…

ソーセージの発見

ソーセージもまた不思議で、挽肉を羊の腸などに詰めて作るのだが、そもそもどうしてあんな発想が生まれたのだろうか。 だってアナタ、食事中の方には申し訳ないが(食事中にこんなものを読んでいるヤツが悪い)、腸といえばウンコを作るところですよ。ウンコ…

発酵食品の発見

納豆が好きで、よく食べる。 今朝も飯に載せてわしわし食っていて、ふと、“これ、工場で作ってんだよなあ”と思った。 納豆工場を見学したことはないが、工場内の室(むろ)かどこかに大豆を貯め、納豆菌を繁殖させるのだろうか。 部屋いっぱいの大豆の間に、…

個人的には、僕(私)自身

気になるというほどではないが、ちょっと“んー、どうなんだろう”と思う言葉遣いに(ま、気になっているということですが)、「個人的には」、「僕(私)自身」というのがある。 もちろん、使う状況にもよるのであって、会社などの組織を背負って、「個人的に…

名刺交換という礼式

先週、名刺交換の際にしばしば感じる、ぎこちなさについて書いた(id:yinamoto:20081106)。 仕事で人と初めて会ったとき、割にすっと名刺交換する流れになるケースと、不自然な雰囲気の中で名刺交換するケースがある。 不自然な雰囲気になるのは、先に話が…

大琳派展カタログ

展覧会場で図録を買ったのだが、これが充実している。 三千円と安くはないが、大判で、図版部分だけで300ページ近くあり、出展全作品が載っている。印刷もいい。 つらつら眺めているだけで、時間が経つ。 展覧会に行かれる方にはオススメです。何かから逃避…

大琳派展〜反省文

東京国立博物館の大琳派展に行ってきた。10月にも行ったので、二度目である。 展示物がだいぶ入れ替わっていた。 多くの作品を楽しめるのはありがたいことである。 10月に行った折、このブログに、酒井抱一の絵を、その先達とされる俵屋宗達や尾形光琳の絵と…

名刺交換

名刺交換するとき、何かこう、居心地の悪さを感じる。あの居心地の悪さは何に由来するのだろうか。 名刺交換の前に話が始まるときがある。 なごやかに談笑しているうちに、“では、そろそろ”という空気が支配的になってくる。 やおら立ち上がり、相手の席に近…

五感の想像力

相変わらずとりとめない話題になってしまうが、皆さんはにおいを想像できるだろうか。あるいは、味や触った感覚を。 わたしは辛うじてできる、ような気がする、という感じである。 鼻先でチーズのにおいを想像しようとすると、何とかそれらしいものが湧いて…

六日町〜十日町

この三連休は法事で富山の実家に帰っていた。 東京から富山に行くには、上越新幹線で越後湯沢まで行き、在来線に乗り換える。 乗り換えてしばらくは、六日町、十日町などの山間を通る。 今まであまり気に止めていなかったが、電車の窓から見ると、美しい風景…

お金はどこに行っているのでしょうか

日ごとに、東証の日経平均株価が千円単位で上下しているようで、お金の奔流というのは凄じいものだと思う。 今年は台風がとんと来ないが、その代わりに経済の超大型台風が来たようである。 わたしは経済についてはド素人もいいところで、考え出すとすぐ頭の…

青い山脈二題目以降

ひねくれた書きようをしてしまって、「青い山脈」に申し訳ない。 フォローするわけではないが、西條八十先生によるこの歌詞、学校教育的な今となってはそらぞらしい健全さがにおうのはもっぱら一題目である。 二題目以降は、じんわり路線で、古格もあり、よ…

青い山脈的青春

寝っ転がって鼻毛を抜いていて、ふと「青い山脈」の歌が頭に浮かんだ。 「若く明るい歌声に 雪崩は消える 花も咲く」という、温暖化の原因がCO2ばかりではないことを歌い上げた歌である。 なぜそんなものが頭の中で鳴り出したのか、自分でもわからない。脳の…

前座の下町口調

落語の会に行くと、たいてい、「開口一番」と称して、最初に前座さんが出てくる。 遅れてくるお客さんもいるし、一種のウォーミングアップの意味もあるのだろう。何より、入門してそれほど時が経っていない前座さんにとって、客の前で話すのは大きな経験にな…

素敵な邦題(続)

一昨日、洋楽の邦題について書いた(id:yinamoto:20081027)。 今もないことはないのだろうが、80年代頃までの洋楽には、日本のレコード会社がしばしば邦題をつけた。 いいものもあれば、ちょっとどうよ、というものも結構あったように思う(ちょっとどうよ…

カロリー

甘い物はあまり好きではないのだが、時折、妙に食べたくなることがある。 先日の夜、急にそんな状態になって、ポッキーを買って食べた。何だか恥ずかしい。 でもって、つらつらとパッケージを眺めてみると、あれ、一箱で約300kcalあるそうだ。 成人男性の1日…

素敵な邦題

ポール・マッカートニーの1984年のヒット曲に「No More Lonely Nights」というのがある。 ポールらしいメロディ・センスで、好きな曲のひとつだ。 こういう曲である(関係ないが、歌が始まるまで1分以上映像のみ、というプロモーション・ビデオも珍しいので…

悲しきユーモア

今日はわたしの好き嫌いにのみ基づいて書く。抗議や反対意見は一切受け付けない(本当に抗議されたら、即座に謝るであろうが)。 また、いささか下卑た内容になると思うが、責任は一にわたしにあると断っておく。 このブログの下のほうに、Amazonの商品が2点…

コスプレの未来像

コスプレというのは、あれは何か、見る側(というか、おれ)を困った心持ちにさせる。 もし、どこかの部長さんが、「ワシは実はバレリーナになりたかったのだ!」と、ある日突然、白鳥の湖の格好で出社したら、まわりは随分と困るだろう。 それと同じで、や…

中学生的

テレビはあまり見ないのだが、新聞のテレビ欄は好きで、今、どういう人が話題になっているのかは“文字情報”として知っている。 エドはるみ、世界のナベアツ、鼠先輩、この3人には共通点があるようだ。 ある程度年を食ってから急に売れたこと、それから全然面…

江戸前、小林秀雄

小林秀雄の講演CDを聞いて以来(id:yinamoto:20081014)、ポツポツと小林秀雄を読んでいる。 大昔に、一応は読んでおくべきものなのではないか、などという腰の抜けた動機で読んだ頃は、何言ってんだかよくわからなかった。さして面白いとも感じなかった。 …

襲名

昨日に続いて、襲名の話。といっても、内容は続いていない。 襲名が日本独特の行為なのかどうか知らないが、あまり他の国の話として聞いた覚えがない。 フランスで、ルイ何世、なんていう王様が続いた時代があるようだけれども、あれも襲名という感覚だった…

桂米團治襲名披露公演

先週、桂小米朝改め桂米團治襲名披露公演に行ってきた。 口上には、師匠であり、父である桂米朝師匠も並んだ。御年八十を超え、あるいは春の骨折の影響もあるのか、正座するだけでも大儀そうだった。 しかし、自らの師匠である米團治の名を息子に継がせるこ…

ウニ丼もどき

突発的に好奇心に駆られることがあって、昨日がそうだった。 何年か前に、「○○に○○をすると、○○の味になる」という話題が流行ったことがある。 わたしは当時、試してみるほどの興味はわかず、ふーん、と聞き流していた。 でもって、昨日、某所で「プリンに醤…