甘い物はあまり好きではないのだが、時折、妙に食べたくなることがある。
先日の夜、急にそんな状態になって、ポッキーを買って食べた。何だか恥ずかしい。
でもって、つらつらとパッケージを眺めてみると、あれ、一箱で約300kcalあるそうだ。
成人男性の1日あたりのカロリー摂取の目安は、約2,000kcal程度と言われているそうで、ポッキーを6箱か、7箱食べれば、1日分のエネルギーを補給できる計算になる(ポッキー6箱食えというのは拷問に近いが)。
どうもあのカロリーというやつがよくわからない。
ダイエットの関係か、よく食品や飲料にカロリーが表記してあるが、あれを元にカロリー計算して飲み食いすることに、どれほどの意味があるのだろうか。
例えば、食用油は相当にカロリーが高いだろうが、2,000kcal分をごくごく飲んだからといって(オエオエ)、人体を動かすエネルギーにはなりがたい気がする。
逆に、永平寺のような禅寺では、もっぱら粥と香の物程度の食事のようだが、あれ、1日分を足しても、2,000kcalには全然足りないだろう。しかるに、禅寺で坊さんが餓死したという話を聞かないし、元気にタッタッタッタと雑巾掛けなんぞもしているようである(追記:調べてみると、永平寺の食事は案外、バラエティに富んでいるようです。すみません)。
もちろん、栄養バランスに配慮して食べなさい、ということなのだろうが、しからば、リクツで言えば、カロリーに目を奪われるのはかえって害をなすようにも思う。
まあ、あれはあくまでカロリーを取りすぎないように、という目安なんだろうけれども。
モひとつついでに言うと、カロリーが少ないものを「ヘルシー」と表現する向きがあるけれども、あれもどうかと思う。
飢えで苦しんでいる地域に、ああいう飲食品を持っていって、「はい。ヘルシーだよ」と渡してご覧。どういう目に合うか。
カロリーが低いことを「ヘルシー」と言っている商品は、言い換えれば、「おまえは、どうせ簡単に欲望に負けるヤツに違いない」と馬鹿にしているのだ。