体内時計

 ここのところ、体内時計のリズムが変で、夜、床についてもずっと眠れなかったり、やけに早く目が覚めたりする。


 早く目が覚めたときは、あまり眠くない。「もういいや」と起きて、そこらへんをごそごそ這いずり回っているうちに(まるでゴキブリだが)朝となり、やがて、人様が元気ハツラツと活動する時間になると、強烈な睡魔に襲われる。


 会社勤めをしているわけではないので、いつ寝たっていいようなものなのだが、どうもその寝る時間が生活のリズムになってしまいそうで、根性で起きている。


 でもって、その夜は、寝足りなかった分を体が取り戻そうとするのか、物凄く眠る。馬鹿みたいに眠る。



馬鹿みたいに眠る。


 あれ? しかし、わたしのような馬鹿者が眠るのを、「馬鹿みたいに眠る」と表現していいのだろうか。馬鹿が「馬鹿みたいに眠る」というのは、変ではないか。カモシカの脚を「カモシカのような脚」とは表現しないから、「馬鹿が眠る」と寸法きっちりに収めるべきなのか。


 そんなことはどうでもいいですね。ハイハイハイ。


 でもって、物凄く眠った次の夜は、また眠れなくなったり、早く目が覚めたりする。往生する。


 眠れないのは前の晩の寝過ぎが原因だとすれば、寝過ぎないように、朝、根性で起きればいいのだが、そこがねえ、あなた。


 ご承知の通り、眠たいときというのはどうしようもないもので、朝、目覚ましを鳴らしても、止めてから、アア、ア、アアアアア、と眠りに落ちてしまう。
 その直前、自分で自分に何かすこぶる都合のいい理由をつけるような気もするのだが、眠りの強烈さゆえに忘れてしまう。


 まあ、元々、体の調節機構がポンコツに出来上がっている男ではありますが(そうだ、おれは悪くないのだ)。


 体内時計というのは何なのだろう。時間になると、どこかから汁でも出てくるのだろうか。