昨日、電車に乗ると「Domani」という女性誌が中吊り広告を出していた。
“颯爽”“自信満々”“やる気十分”“過去なんてノンノンノン”というイメージの女性の写真がどーんと載っていて、その下に、「はじめまして、知花くららです」とコピーが書いてある。
思わずこちらも「はじめまして」と頭を下げそうになった。
ウェブではこう。
・今月のDomani(12月4日現在。次号が出ると内容は変わるんだと思います)
目を惹いた時点で、広告としては勝ちなんだろう。
よく見ると、雑誌のコンセプトを表すコピーとして「働く女性のファッション・バイブル」とある(小さくて読みにくいが、Webの表紙写真の右上にある)。
「“働く女性の”なんだったら、食堂のオバチャンを表紙にしてもいいよなあ」などとくだらない想念が広がったが、それはまあよい。問題はコピーの後半だ。
「ファッション・バイブル」。
あのねえ、と思う。
バイブル、はないだろう。「ファッション聖書」。
だったら、いっそ「ファッション般若心経」でもいいではないか。
いやまあね、編集部内で「この雑誌を、働く女性のファッション・バイブルにしたい!」と意気込むのはいい。ぜひ頑張っていただきたい。
しかし、外に向かって自分達から「ファッション・バイブル」と宣言するのはあまりにあまりだろう。駅ビルやなんかによくある「グルメ・タウン」に通ずる気恥ずかしさがある。
そういう目でいろいろな雑誌のコピーを眺めると、なかなか面白い。
これなんて、実にわかりやすい。
・寺門興隆
「仏教界ならびに全宗派すべての住職・寺族のための最も信頼できる実用実務月刊情報誌」。
表紙の左上にある「住職の月刊誌」というコピーもシンプルでいい。
コピーの話とは離れるが、記事も興味をそそる。
「寺の鍵や実印を引き渡せと訴えた住職が負けた大問題」
「職権和解した墓地反対住民と寺が再び争う過激な看板」
「僧階を真宗二派はなぜ改廃したのか」
「墓参りを代行する業者の実態」
世の中というのは実にいろいろな問題を孕んでいるのだなあ、と感じ入る。
毎回、ジローラモさんの濃ゆさが印象的な男性誌「LEON」。
コピーは「必要なのは“お金じゃなくてセンス”です!」。
たぶん、その通りなのだろう。
ただ、一度、知り合いの女の子が持っていた「LEON」を見せてもらったことがあるが、正直、あまりセンスがありそうには見えなかった。
ありていに言うと、濃すぎて、日本人の中年男性には「やめておいたほうがよい」と忠告したくなるようなシロモノだった。
その女の子は単刀直入に「おえ〜」と言っていた。
「LEON」といえば、“ちょい不良ワル”オヤジというフレーズで有名だが、何が“ちょい不良ワル”なのだろうか。
もしかして、読んでるオヤジの頭だろうか。
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「今日の嘘八百」
嘘六百五 今、「ちょい不良ワル和尚のファッション・バイブル」という雑誌を企画しております。