制服でにっこり

 日経新聞日刊工業新聞などの新製品情報欄に、製品と制服姿の若い女性の写真が、小さく出ることがある。


 女性は、カメラとか、小型液晶モニターとか、何かよくわからんボックス状の製品を、小さなものなら手に載せ、大きなものならテーブルに置いて、にっこりしている。
 制服は、たぶん、そのメーカーのものなのだろう。女性は社員だろうか。


 若い男性や中年女性、ましてやアブラぎったオッサンとか、しなびたジイサンが同じふうにしている写真を見たことがない。
 必ず、「制服姿の」、「若い」、「女性」なのである。


 だからといって、「女性に対するナントカ的視線が」とか、「男性優位社会の」とか、「無意識の蔑視が」とか、「歴史的ナンタラカンタラ、文化的ナンタラカンタラ」とか、「今こそ我々は」とか言うつもりはない。アバラ骨方面の話は、それはそれでどこかでやっていていただきたい。


 たぶん、新製品だけではそっけなく見えるから、若い女性を置いているのだろう。まあ、女性は「彩り」、「アイキャッチ」として使われているのだ。


 いや、失礼な言い草と怒らないでいただきたい。
 高いギャラをもらって広告や雑誌の表紙などに出る美形のタレントだって、言ってしまえば、「彩り」、「アイキャッチ」なのだ、たいていが。


「若い」、「女性」はいいとして、「制服姿の」理由がイマイチはっきりしない。
「我が社の製品である!」ということを強調したいのか、それとも、きれいなおべべを着せるほどの写真でもないということなのか。あるいは、「美奈子ちゃん、また製品写真お願い。手に持ってみて」、「えーと、こうですかー?」などという会話が広報部でなされているのだろうか。


 制服姿の若い女性が映っているのは、ハイテク製品であることが多い。
 たとえ新製品であっても、チクワやカマボコだと、出てこない。


 チクワを手に載せてにっこりする、制服姿の若い女性の写真。面白いから、どこかやってくれないだろうか。紀文さん、カネテツさん、どうですかね?


 スパナとか五寸釘を持ってにっこりというのもいい。スパナや五寸釘の新製品が何年に一度出るのか知らんけど。


▲一番上の日記へ

                  • -


「今日の嘘八百」


嘘百二十八 日本の行政をトヨタに委託したら、プライマリーバランスは2年で回復、5年で財政赤字は解消されるという。