青っ洟

 今日はバっちい話なので、その手の話が苦手な方はご勘弁。


 わたしがガキの時分、遊び友達はよく青っ洟を垂らしていた。
 青緑色の粘液が鼻の穴から二本にゅうっと出て、すすりあげれば引っ込み、放っておくとまた出てくるのである。
 まあ、鼻が歯磨き粉のチューブのような状態だったのだ。


「遊び友達は」と書いたけれども、わたしもおそらく同じだったろう。


 今、少なくとも、わたしが住んでいる東京近郊の住宅街で、青っ洟を垂らす子どもは見かけないし、わたしだって青っ洟を垂らすことはない。


 ありゃあ、何だったのか、と思う。


 同じ年代でも、東京で生まれ育った人の話だと、ガキの時分、青っ洟なんて見かけなかったという。田舎の衛生事情でも絡んでいたのだろうか。


 わたしの実家のあたりは、今はもう住宅地になってしまったけれども、ガキの頃はまだ原っぱがあったし、田んぼもあった。
 わたしはそこいらを「ウンコ、チッコ、バヒュ〜ン!」とわめきながら、走り回っていた。馬鹿だったのである。


 草のにおいをよく覚えているから、あるいは草の成分でも鼻に入って、青っ洟を引き起こしたのだろうか。
 草が緑色だから、そこで遊ぶガキの洟も緑色になる、というのはちょっと単純すぎるか。


 などと考えながら、インターネットで「青っ洟」と検索すると、あっという間に答が出た。


青っ洟(ぱな)と水っ洟(ぱな) - ドクターアドバイス


 ふーん、栄養状態が悪かったのね。
 そういえば、コーンスープをおかずにご飯を食べる、なんてこともあったからなあ。


 豚を牛と偽ったとかなんとかでわあわあ騒いでいるんだから、経済および栄養の点では、いい世の中になったものだと思う。


 豚だっておいしいよ。

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「今日の嘘八百」


嘘四百六十九 著作権特区の地域を作って、域内ではパロディ・改変自由にしたのだが、肝腎の元ネタを誰もこしらえようとしない。