話題作り

 ライブドア堀江社長の事件では、堀江社長をすでに有罪扱いする論調が多く、ちょっとなあ、と思う。


 四つの団体を矢印で結んだ図がよく出てくる。
 解説者は、最後、「〜という疑いが持たれています」というようなまとめ方をする。


 まだはっきりしていないところがあるのだろう。


 粉飾決算の疑いだって、専門知識のある人間が精査しないとわからないはずだ。


 まあ、叩くなら今が旬、ということなのかもしれない。


 裁判の頃には、ニュース、話題としての熱は冷めてしまう。本来の意味とは違うけれど、鉄は熱いうちに打っとけ、というところだろう。
 なんたって、アナタ、攻撃欲を満足させられる格好の対象ですからね。


 それにしても、感心するのは、今回の事件に関連した報道の、間口の広さだ。


 新聞のページでいえば、経済面・社会面はもちろん、衆議院選挙に自民党から立候補したことから政治面、プロ野球に参入しようとしたことからスポーツ面、そうして最後にテレビ面である。


 関係しないのは、国際面・生活面くらいだ。


 堀江社長は芸能人でもあるので女性週刊誌は大喜び、ついでに彼には品がないので男性週刊誌もウレしくてたまらない。


 東証の株価が下落、とか言っているけど、別の面で経済効果とやらがあったのではなかろうか。


 それだけ多方面に、途切れることなく話題作りしてきたわけだ。少なくとも、広告塔としての堀江社長は大したものだと思う。


 彼が反感を買うようなセリフをよく吐くのも、注目されないよりは、反発であれ何であれ、注目されたほうがマシだからなのだと思う。
 あの、皮膚を押せば汁が出そうなルックスすら、役に立っている。


 人の心をお金で買えることもある。確かに。そうして、人の心でお金を得ることだってできるのだ。知らんけど。