このところ、時々、コント55号のDVDを見ている。
はっきり言って、飽きる。
せいぜい2週間に一度、それもコントを2、3本見るのが限界だ。
欽ちゃん(萩本欽一)のツッコミはしつこく、そしてマンネリ感(うんざり感)に充ち満ちている。
わたしは「いやしかし、何か発見があるかもしれない」とほとんど、向学的態度でいる。
それでもまだ見ていられるのは、二郎さん(坂上二郎)が上手いからだ。
コント55号のコントはだいたい同じパターンである。
まず、ある状況が設定されている(駅前で番頭が客を引こうとするとか、作家が文学賞受賞の連絡を待っているとか)。
その状況に乗っかって、欽ちゃんが二郎さんに無理難題をふっかける。ありていにいえば、二郎さんをイビる。
二郎さんは半ば本気で慌てふためきながら、欽ちゃんからの無理難題を実現しようとする。
その、二郎さんのいたらなさに欽ちゃんがツッコみ、さらに無理難題をふっかける。
二郎さんの慌てふためき方が面白い。自分でも慌てふためくコツをつかんでいるのだろう。ボケる動作も上手い。
時折、二郎さんが欽ちゃんに逆襲する(ツッコみ返す)ときがあり、欽ちゃんが焦る。このときは、客席からヤンヤの喝采である。
客はイビられる二郎さんのほうに肩入れしているからだろう。
しかし、二郎さんがあまり逆襲ばかりしていては、観客が肩入れしてくれない。
そこらへんの度合い、案配を二郎さんはよくわかっている。
逆に、欽ちゃんはこのパターンに飽きているように見える。見ていて、二郎さんが面白いコントはあっても、欽ちゃんが面白いコントはほとんどない。