前にも書いたことがあるが、忠犬ハチ公の剥製が上野の国立科学博物館に置いてある。
左から二頭目、白い犬がハチ公だ。
尾崎放哉のような自由律俳句を作ってみる。
忠犬の皮を剥ぐ 竹蜻
リンク先の写真で、ハチ公の左側にいる黒い犬のは、南極探検で有名なジロだ。
どうせなら、ハチ公とジロではなく、タロとジロを並べておいてやれよ、と思うのだが、ここは動物の分類のコーナーなので、同じ品種を並べるわけにはいかないようだ。
なお、タロの剥製のほうは北海道大学の博物館にある。
越冬したので皮を剥ぐ 竹蜻
いっそのこと、渋谷のハチ公のところ、銅像ではなくて、剥製を飾っておけばいいのに、と思う。
雨の日は、白い毛皮を雨水に濡らしつつ、帰らぬ主人を待つ。
寒い日も、駅で主人を待つ。
夏の日も、毛むくじゃらには辛い、直射日光を浴びながら、主人を待つ。
雪の日も、半ば埋もれて、体毛と雪の見分けがつかなくなりながら、主人を待つ。
コンパの待ち合わせをする肉欲渦巻く大学生どもに囲まれながら、主人を待つ。
それでこそ、忠犬の剥製というものだ。
泣けるぜ、ハチ公。
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「今日の嘘八百」
嘘二十六 定年まで一度も休むことなく勤め上げた渋谷区の職員を剥製にするそうだ。