世界が、世界が、と盛りすぎじゃないか。

 YouTubeを見ていたら、中田英寿セリエAデビュー戦の動画がレコメンドされたので、見てみた。

 

youtu.be

 確かに、この試合での中田の活躍は素晴らしい。

 しかしまあ、「世界に衝撃を与えた」はさすがに盛りすぎだろう。ユベントスは人気チームだから世界のあちこちである程度見ていた人はいるだろうけど、世界レベルで衝撃を与えたわけではないと思う。イタリアではその日のスポーツニュースか何かで注目されたかもしれない。しかし、もちろん、イタリア=世界ではないし、中田がイタリア人に衝撃を与えたかどうかもわからない。

 むしろ、日本人選手がイタリアでもやれるということを見せて、「日本に衝撃を与えた」というのが正確なところだろう。世界に、ではない、日本に、なのだ。

 どうも欧米で日本人が活躍すると、過度にコーフンする人が多いようだ。そのあげくに、「世界に衝撃を与えた」などと大袈裟にすぎる表現をしてしまう。盛ることで、快感が増すのだろう。これだけコーフンするということは、もしかすると劣等感なりコンプレックスなりの裏返しなのかもしれない。

 中田はセリエAでなかなかの成績をあげた。しかし、レギュラーをつかんだと言えるのは、怪我の影響もあったろうが、ペルージャでのデビューの年と、パルマでの二年目だけである。実績で言えば、最近の日本人選手のほうがずっと上である。

 憎まれ口になってしまった。日本人サッカー選手が欧州に進出する先鞭をつけたという意味で、中田の功績をたたえたいと思う。