アンチエイジング

 広告などで目にするたびにひっかかるのだが、「アンチエイジング」というのはハテどうなのだろう。

「アンチ」というのは、「アンチ巨人」なんかのアンチで、まあ、拒否しているわけである。

「年とりたかないわよ」というのは、始皇帝の昔から、あるいはもっとずっとずっと前からの願いなんだろう。不老不死の「不老」のほうですね。

 確かに年をとれば、腰は痛むわ、肩は凝るわ、朝起きると首筋がゴキガキ言うわ、土手がすり減って歯の下部がだんだん出てくるわ、不具合は多い。しかし、一方で「アンチ」なぞと言われると、年をとりつつあるわたしの現況を否定されているようで、どうもなあ、と思うのである。すみませんねえ、年とっちゃって。ま、誰でも生きてりゃ年をとるわけだから、俺は待ってるぜ、とも言えるわけだが。全ての道は老婆に通ず。

 意地悪くいえば、「アンチエイジング」と書いて、「わかづくり」とルビを振る。つまりはそういうことではないですか?