龍虎、なんてふうによく並び称されるが、あれがどうもよくわからない。
虎のほうは、まあ、動物園にいる例の動物だ。大きく、獰猛である。
しかし、とんでもなくデカいかというと、それほどでもない。
龍はというと、伝説上の生き物だからサイズはわからないけれども、まあ、何となく巨大な生き物のように思われている。
では、龍虎相撃つ、という表現をそのままに捉えると、どうなるのだろうか。
並び称されているんだから、おそらく力はほぼ互角だろう。ということは、大きさもだいたい同じくらいと考えるのが順当だと思う。
こういうことだろうか。
龍のほうが今イチ情けない。虎は相手にしていないようだ。
虎を基準に考えると、龍というのは、案外、ショボい生き物の可能性もある。
それでは龍に失礼だ、と考えると、どうなるか。
これでこそ、龍だが――。
今度は虎がうまくない。
龍が巨大で虎はあのサイズ、というのも問題で、そうすると、龍はデカいくせに虎と互角ということになってしまう。見かけ倒し、無駄にデカいだけ、という印象はぬぐえまい。
龍、頼むからもっと頑張ってくれ。おれは少年時代、あんたのファンだったんだ。
関係ないが、ついでだったので。
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嘘五百十九 ソフトウェアの使用許諾書の最後のほうには、時々、メフィストフェレスが条文を書き足しているらしい。