スポーツの世界では、イメージトレーニングが重視されるらしい。よく知らないが、音楽家にも、演奏前にやる人がいるかもしれない。
わたしは物を書いては売り飛ばす商売をしているが、この仕事にイメージトレーニングは向かないようである。
目を閉じる。
パソコンのパワーボタンを押している自分をイメージする。
立ち上がるまで待つ。
ワープロ・ソフトを開く。
キーボードをかたかた打つ。
保存する。
メールで送る。
万歳三唱する。
どうも役立ちそうにない。
どういうふうに文章を組み立てるか、想を練ることはある。短い文章なら、頭の中で作ってしまうこともある。
しかし、そういうのはイメージトレーニングとは違うだろう。
あくまでできあがりを想像するだけで、体や心の動きをなぞるわけではないからだ。
イメージトレーニングが有効な分野と効かない分野は、何が違うのだろうか。
例えば、会議や打合せに出席している自分のイメージトレーニングというのは、あまり役立ちそうにない。
ただし、自分がプレゼンテーションするのなら、有効な気もする。
もっぱら自分が中心になる場合、あるいは相手の出方がある程度予想できる場合に効くのだろうか。
例えば、野球のバッターなら、ピッチャーのフォームや投げてくる球はある程度、限られるだろう。形だけ出ている会議(当然、話の中身には興味ナッシング)でいきなり話を振られるよりは、予想しやすそうだ。
「自分が中心になる場合」と言っても、文章書くのには効かないんだけどねー。