インターナショナル・ブシドー先生対スーパーナチュラル武士道男

新渡戸五千円先生(以下、先生) 義は武士の掟中最も厳格なる教訓である。武士にとりて卑劣なる行動、曲りたる振舞いほど忌むべきものはない。
武士道男 ダーッ、掟ーッ(刀を振り回す)! 卑劣ーッ!
先生 アングロ・サクソン人の心には、徳と絶対権力とは調和不可能なる語のように響くかも知れない。
武士道男 キエーッ、毛唐ーッ(ブン)! 伴天連ーッ(ブンブン)!
先生 仁は柔和なる徳であって、母のごとくである。真直なる道義と厳格なる正義とが特に男性的であるとすれば、慈愛は女性的なる柔和さと説得性とをもつ。
武士道男 母上ーッ(シュバッ)! 女ーッ(シュバシュバッ)! 柔らかーッ(シュバシュバシュバッ)!
先生 「武士の情け」という言は、直ちに我が国民の高貴なる情感に訴えた。
武士道男 ドリャーッ、武士の情けーッ(ヒュンヒュン)! 惻隠の情ーッ(ヒュヒュヒュン)! 
先生 武士の場合にありては愛は盲目的の衝動ではなく、正義に対して適当なる顧慮を払える愛であり、また単に或る心の状態としてのみではなく、生殺与奪の権力を背後に有する愛だからである。
武士道男 オリャ、死ねーッ(ブーン)! 愛って何だーッ(ブーンブーン)!
先生 我が刀剣に危機を帯ばしめたるものは、刀鍛冶の霊もしくは彼の守護神の霊であったのであるか。
武士道男 どっちなんだーッ(パヒンッ)! チェストーッ(パヒンパヒンッ)!
先生 しかるに、刀は常に手の届く所にありしが故に、その濫用に対し少なからざる誘惑があった。
武士道男 誘惑ーッ(ブスッ)! 魅力的ーッ(ブスブスッ)!
先生 平和なる鞘から刀身の閃きいずることしばしばなるに過ぎた。濫用の極、時には新たに獲たる刀をば無辜の首に試むるものさえあった。
武士道男 ウォーッ、濫用ーッ(ズビズバッ)! ごめんなさーい(シャバドスッ)!
先生 しかしながら我々のもっとも関心する問題はこれである、――武士道は刀の無分別なる使用を是認するか。答えて曰く、断じてしからず!
武士道男 早く言ってくれーッ(ドバラッ)! 遅すぎたーッ(プシューッ)!
先生 徳、偉大、優しさの変化力には驚嘆すべきものがあって、最醜の死の形式にも崇高性を帯びしめ、これをして新生命の象徴たらしめる。しからずんば、コンスタンティヌス大帝の見たる徴〔十字架〕が世界を征服することはなかったであろう。
武士道男 いや、そういう話ではなくてーッ(ムリッ、ムリッ、ムリムリムリッ)!


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「今日の嘘八百」


嘘百二 柳生十兵衛の弟は、柳生十一兵衛。