バカボン

 いつだったか忘れたが、こんなことを書いた記憶がある。


 生まれてすぐに言葉を発した人間は、世界史上、わたしの知る限り3人いる。お釈迦様、天才バカボンのハジメちゃん、そしてわたしである。
 わたしの場合は、母の胎内から出た後、七歩歩き、右手で天を指し、左手で地を指して、言った。「これでいいのだ!」。


 まあ、例によっての出たとこ勝負のデマカセのデタラメであったわけだが、これ、実は不思議と「天才バカボン」の成り立ちと符合するらしい。


バカボン」という名前は、英語の「vagabond(放浪者)」から来ている、というのが定説になっている。


 一方で、お釈迦様の尊称として、仏典には「薄伽梵」、「婆伽梵」、「薄加梵」という言葉が出てくるという。
 仏教関係者にも、「天才バカボン」の語源はお釈迦様にある、と唱える人がいるらしい。


「vagabond」と「薄伽梵(婆伽梵、薄加梵)」と「バカなボン(ボーズ)」が、天才・赤塚不二夫の中で結びついた、ということは大いにありそうだ。


 原因(vagabond、薄伽梵、馬鹿、ボーズ)があり、条件(=縁。赤塚不二夫の天才)があり、結果(バカボン)が表れる。こういうのを、まさに因縁というのかもしれない。


 まあ、本当のところは赤塚不二夫に聞いてみなければわからないけれども、赤塚不二夫自身は2002年に脳内出血で倒れて以来、ずっと半ば眠っているような状態という。
 生きて涅槃の境地にあることを願いたい。


 病床は、赤塚不二夫と意思の疎通はできないけれども、多くの友人・知人が訪れ、賑やかだという。


 涙の出そうなほど、力強い肯定の言葉だ。


 これでいいのだ。


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「今日の嘘八百」


嘘百三 レレレのおじさんは、昔、ドドドのおにいさんだった。