四文字熟語

 四文字熟語には、大げさなものが多い。


 例えば、「怒髪衝天」なんていうのがある。
 怒って直立した髪が天を衝いた、というのだ。それはいくらなんでもチョット、と思う。


 実際には、昔のBUCK-TICK(綴り合ってるかは知らんよ)とか、X-JAPANの人々を思い出すと、せいぜい頭上30cmくらいを衝くのがせいぜいのようだ。


 もっとスケールの小さな表現の「針小棒大」だって、針の小ささのものが棒のように大きい、というのだから、倍率でいえば、「怒髪衝天」に匹敵するかもしれない。


「信賞必罰」は、言っていることは大したことではないのだが、「必罰」のところが、どういう目に合わされるのだろうか、と、不安にさせる(古代中国のすんごい刑罰を受けさせられるような気になる)。


「疑心暗鬼」は怖い。「驚天動地」は、天が驚くってんだから大変だ。


「世界平和」だって、「環境破壊」だって、「堤防決壊」だって、大げさだ。気の小さいわたしは、「罵詈雑言」という言葉を見ただけで、シュン、となってしまう。実際、今、シュン、となった。


 そんな四文字熟語の中で、わたしが一番好きなのはこれだ。


  右往左往


「あー、えらいこっちゃ、えらいこっちゃ」という大騒ぎぶりがとてもよく表れていて、素敵だ。


 同時に、わたしにとっては、大変、身につまされる言葉でもある。


▲上往上往