2006-10-28から1日間の記事一覧

衣装は成り上がる

逆に時代を経るにつれ、位置が高くなっていくのが衣装である。 狩衣は何せ「狩り」の「衣」だから、最初はあまり大した服とは見られていなかったのだろう。それがだんだんとあらたまった服装になっていった。武家にとっては礼服である。 直垂(ひたたれ)は…

二人称は落ちぶれ

ここで日本語の二人称に目を移すと、元々は相手を高くしていた言い方が、落ちぶれるケースが、ままある。 例えば、「貴様」という言い方は字面だけを見れば、「貴」と来たうえに「様」である。随分、相手をたてまつっているように見える。 しかし、実際には…

私からあなたへ

別に参らずとも全然かまわないが、それはさておき。 昨日、一人称について書いた。 日本語の一人称の不思議なところは、一人称(自分のこと。「私」など)がいつのまにか二人称(相手のこと。「あなた」など)に変身する場合があることだ。 例えば、手前、と…

まずは言い訳

この日記で、言葉についてああだこうだと書くことがあるけれども、言語学や日本語論に興味があるわけではない。 もっぱら日本語について書いているが、わたしがある程度使いこなせる言語は日本語だけだから、というに過ぎない。わたしは日本語バンザイ主義者…