動物感動物語への違和感

 YouTubeでこんな動画がレコメンドされて、見てみた。

 

youtu.be

 

 おれはこの手の(野生)動物感動物語にどうも抵抗がある。人間と野生動物の心の交流みたいなことはまあ、タッチングだが、野生動物をペットみたいな目線で見るところに違和感を覚えてしまう。

 この動画で黒ヒョウを育てた女性は野生動物の野性を理解している。一方で、動画の制作者は「どうです? 友情ですよ。感動でしょ?」という見方が先に立っていて、ありていに言うと、ペット目線で野生動物を見ている。

 野生動物にはそれぞれの物事の捉え方があり、それは種が違う以上、人間には完全には理解できないものだろう。また、野生動物の野性・それぞれのあり方に敬意を払うべきで、野生動物をペット目線で見ることは相手に対して大変に失礼だと思う。 

 この動画のチャンネル名は「どうぶつ愛護センター 〜こころの隠れ家〜」だそうだ。わくわく動物ランド的な甘ったるいファンタジーとして野生動物と人間の関係を捉えているのだということがわかる。

 一方で、野生動物と友達になろうとして大失敗した例も世界にはあるはずだが、そういう例をおそらく「愛護」「こころの隠れ家」などという甘ったるい言葉遣いを好む人たちは見たがらないのだろうと思う。ヒョウは人間を威嚇するのがヒョウらしいあり方であり、熊は人間を襲うのが熊らしいあり方で、それは尊重すべきことだ。わくわく動物ランド的に野生動物を捉えることと、たとえば猟師が熊に敬意を払いつつ戦うことには大きな違いがある。

 動物愛護の人々は自分の狭い了見の愛を押しつけているのであって(ある種の一方的で身勝手な恋愛に似ている)、本当の意味で相手のことを理解していないし、する気もないのだと思う。