マンション爆心地問題

 マンション販売には独特の文化があるようで、いわゆるマンションポエムと言われるものもそうだ。郵便受けに入ってくる新築マンション販売のチラシはポエムの宝庫である。

洗練の高台に、上質がそびえる。

誰も知らない憧憬が、日常となる。

この先、これほどの東京に、何度出逢えるだろうか。

 とかなんとか、その手のやつだ。

 もうひとつ、特徴的なものに、マンションの爆心地化がある。パース図なり、完成予想図なりが間に合わなかったのか、マンションの建つ場所に光の柱が立つのだ。

 たとえば、こういうやつ。

 チュドーン!! 人工衛星からのレーザー攻撃であろうか。

 ブワン。なぜか、この光に包まれたところは全てが異次元に飛ばされてしまうように感じる。

 高らかに世界に誇る、グラウンドゼロ。

 ドバーン。煌めきの水面(みなも)がミサイル攻撃の標的だ。

 平和な東京を突然襲うレーザー照射。あるいは、宇宙人の秘密兵器か。

 千代田に住む誇りを胸にしていたら、ミサイル攻撃。雑居ビルの立ち並ぶあたりに落ちている。標的を外したのか。

 我が防衛省はいったい何をしているのであろうか?

 マンション販売方面の人々の発想には、いろいろ驚かされる。なにしろ、平和な街々が一瞬のうちに攻撃されるのだ。マンション爆心地問題は、もっと取り上げられてよいように思う。