ラーメンとカレーライスは日本で人気のあるツートップだと思うが、不思議とカレーライスはラーメンほど語られない。
ラーメンについてはどこそこのラーメン屋のスープがどうのこうと評論、批評めいたものがわんさとあるし、ラーメン屋を紹介するムックやブログもいっぱいある。カレーライスのほうは、まったくないわけでもないのだろうが、本屋であまり見かけないし、ウェブサイトでもラーメンほどは語られないようだ。
なんでだろーなー、と考えていたら、ひょいと答えが見つかった。
ポイントは、パーツに分かれているか、なのだ。ラーメンは、麺、スープ、チャーシュー、野菜類、シナチク、ネギなど、はっきりパーツに分かれているので、それぞれについて語ることができる。総合もできる。ところが、カレーライスのほうはルーと飯、付け合わせで成り立っていて、肉や野菜などの具もルーの中に半ば溶け込んでいる。パーツごとの批評(大げさだが)がしにくいのだ。そのせいで、味についてはいきなり総合して語るしかない。
同じことが、寿司とおでんについても言える。寿司は酢飯にネタそれぞれを語ることができる。一方のおでんはそれぞれの具が汁の中に溶け込んでいて、「チクワは」「コンニャクは」「ごぼう巻きは」などと語りにくい。せいぜい大根が比較的独立した地位にあるくらいか。
だからどうした、と言われても困る。おれの書くものはだからどうしたというパーツの集まりだからだ。