田舎から父母が東京に出てきた。
1日付き合うはずが、畠山記念館から六本木ヒルズまで連れて行って、仕事の都合で昼過ぎにはサイナラした。父母はその後、ふたりでお台場に行き、船で月島に渡ってもんじゃ焼きを食べてホテルに帰ったそうだ。まるで小津安二郎の「東京物語」である。
「東京物語」を見たのはだいぶ前で、細かなストーリーは覚えていないけれども、尾道から東京に出てきた父母を、子どもたちは自分達の都合もあっておざなりにして、熱海に送ってそれでよいことにしてしまう、という話だったと思う。今目の前にある自分の都合が先に立ち、父母が気遣いながら諦めてくれるというのは、わたしも同じである。
「東京物語」はかれこれ50年も前の映画だが、親子の都合やら事情やら気遣いやらというのはあんまり変わらないのかもしれない。あるいは、そういう部分をつついているからこそ小津安二郎は今でも根強い人気があるのかしらん。
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