もうちょっと選手権

 周知の通り、我がニッポン列島は地殻のプレート面がお互いズリズリこすりつけあっているうちによってしまったシワシワであるからして、地形が複雑である。


 特に大きな島は北海道、本州、四国、九州の四島だが、地図を見ていると、「もうちょっとでつながったのになー」と惜しい気持ちになるところが多々ある。


 例えば、昨日ちらっと出てきた淡路島。



 申し訳ない。“どこだ、ここは”という地図が表示されていると思う。
 はてなではGoogleマップの縮尺を指定できないようなので(指定する方法をご存じの方がいたら、教えていただけないだろうか)、地図の左上の「−」(マイナス)ボタンを何回かポチポチ、クリックしていただきたい。淡路島と、本州、四国が見えてくると思う。


 こういうのを見ると、「あとちょっとなのになー」と惜しい気持ちになる。


 四国のまわりには、あちこち、「惜しい!」と思うところがある。





 本州と四国を結ぶ橋は債務が大きく、通行料金が高いので、あまり評判がよくないようだが、こういう地図を見ると、「つなぎてー」という気持ちになるのも、わかる。


 四国の愛媛から九州の大分方面に向かって伸びる佐多岬半島なんて、身を削るようにして、届こうとしている。切ない。



「あとちょっとで、力、尽きました……」


 走り出した列車から伸ばした手は、あの人の手に触れることかなわずに、離れていった――。



「ワシ、自主独立を保っとるんよやけんじゃきに」


 本州と九州の間の関門海峡は、いっそくっついてしまったほうが楽なのに、と思う。わざととしか思えない地形だ。



 まあ、つながらずに海峡となってくれたおかげで、昔の海運は随分と助かったのだろうが。
 つながっていたら、日本海から大阪を目指す舟は、外界の荒波越えて、はるばる鹿児島を回らねばならなかったろう。プチ喜望峰回りである。


 九州の天草も、「惜しい!」と思わせる。



 長崎、熊本、鹿児島の三方向から手が伸びていながら、あと一歩のところでつながらず、島となった。もっとも、逃げ切った、という考え方もできるだろうが。


 わたしが好きなのは、東海の渥美半島知多半島と、紀伊の鳥羽あたりが作る地形。
 惜しい、と言うにはお互いの距離があるが、三角関係を思わせるところが楽しい。



渥美半島と伊勢が結ばれようとしているところに、知多半島がちょっかい出したのだろうか。でも、渥美半島も、ちょっと知多半島に心動かされているような……”などと、妄想が無駄にふくらむ。ああ、渥美半島の、揺れ動く女心。


 最後は、わたしの田舎に近い、能登半島能登島


 惜しいことは惜しいが、それより、能登半島全体が見えるくらいの縮尺にすると、変なものを口に入れてしまった人、みたいに見える。



「ああっ。イガイガする!」


 まあ、わたしが本当に凄いと思うのは、アラビア半島とアフリカの間の紅海なんですけどね。約2,000kmにわたって、一直線に凹んでいる。あな、不思議。

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「今日の嘘八百」


嘘七百七十八 アキレスと芳一は、あの世でしみじみ語り合っているという。