京都大学の折田先生像について書いたことがある(id:yinamoto:20070310)。
わたしは京大の卒業生でも何でもなく、ネット上であれこれ見て、書いただけだ。
かいつまんで言うと、折田彦市先生という方の像が、かつて京大の構内にあった。折田先生は、京大の前身、三高の校長を長く務めた偉い先生である。
いつしか像は、おそらくは学生の手によってペイントされるようになり、大学当局が洗浄しては、またペイントされるというイタチごっことなった。
ペイントはだんだんとエスカレートして、ほとんど造形美術の域にまで達した。
京大の建て替えで折田先生像は撤去されたが、今度は入試シーズンが訪れるごとに「折田先生像」と称して、ハリボテ像が現出することになった。
とまあ、そんな騒動が今も続いているわけである。
詳しくは、このサイトを見るのが一番よい。
騒動を面白がるだけでなく、きちんと折田彦市先生についても調べているところに、礼の心と誠実さを感じる。
折田先生像の変遷について知るなら、サイトの左側メニューにある「像の履歴(年表)」をクリックするとよい。代表的な「作品」をまとめて鑑賞することができる。
わたしは「サイクリング部員」や「太陽の塔」も好きだが、地味ながら「司馬遼太郎」もよくできていると思う。手の込んだ大作も結構だが、小品には小品ならではの“かるみ”があって、よい。
年表は「永沢くん」のハリボテで終わっているが、今年は、入試の時期に不二家騒動があり、“永遠の7歳”こと「ポコちゃん」が出品されたそうだ。
左側メニューの「ポコちゃん」をクリックされたし。
残念ながら、その後、何者かの手によってこの「ポコちゃん」像は破壊されてしまったらしい。
あるいは学生の酔っぱらった勢いか何かだったのか知らんが、不粋な行為である。
しかし、世の中、捨てたものではない。「京都大学高等教育研究開発推進機構」なる、漢字16文字・総画数154画の組織によって「ポコちゃん」は保護されたようである。
・京都大学高等教育研究開発推進機構 - Information
京都大学高等教育研究開発推進機構共通教育推進部吉田南1号館2階施設管理担当なる、37文字・総画数331画の係が、我が国においていかなる位置づけをなされているのか、しかとは知らねども、早い話が京大の事務方だろう。
一般に、国立大学の事務方の評判は悪い。お役所仕事、弛緩、事なかれ主義の代表のように思われており、国家権力の手先、ただしカジカんでいる、と見なされることも多い。
しかし、京大の事務方は偉い、と思うのである。洒落がわかる、あるいは文化を守ろう、育てようという意思を感じる。
文中、「ポコちゃん像」と書かず、正しく「折田先生像」と書いているところも好感が持てる。
写真をクリックすると拡大するのも、事務運営上どのような意味があるのかわからぬが、素敵である。
パンドラの箱の底には、“希望”が残っていた。
一方で、「ポコちゃん」もとい「折田先生像」を囮にして、この際、毎年入試の時期になると不埒な行為に及ぶ犯人を、ふん捕まえようとモクロんでるのでは、という疑念もぬぐえぬのであるが……。
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「今日の嘘八百」
嘘五百四十九 鬼ヶ島の鬼達がなぜ犬、猿、雉などという小部隊・弱小の兵卒に敗れたのか、防衛大学校で研究中であるという。