座布団の舞

 2日続けて朝青龍が連敗。もっとも、2日続かなければ連敗ではないが。


 2日とも生中継で見たが、いやー、座布団の飛ぶこと、飛ぶこと。笑ってしまった。
 噂では、ドサクサに紛れて解説の北の富士さんまで座布団を投げていたらしい。嘘である。


 あの、横綱が負けると観客が座布団を投げる行為を、「座布団の舞」と呼ぶんだそうだ。


 朝青龍はめったに負けないから、観客が座布団の舞に参加できる機会は少ない。それだけに、いざ負けたときは派手に飛ぶのだろう。


 これが、毎場所3、4敗するような横綱や「や」の字続きの横綱だったら、こうまで派手には飛ばないと思う。


 特に今場所は、朝青龍が初日から負け(しかも三大関が続けて負けた後に朝青龍まで負けた)、2日目(昨日)も負けた。例の八百長騒動も相まって、座布団の舞も派手さを増したのかもしれない。


 座布団の舞うこと、風に桜の散るが如し。ワタクシ、あの座布団の舞、嫌いではない。


「おいおい、横綱、何やってんだよー。しっかりしろお!」という抗議、窮屈な感じがなく、「お。負けた。しめた、投げられる!」と観客が何だかウレシそうだからだ。
 もっとも、これが3敗、4敗となると、「何やってんだよー」方面に流れていくのだろうが。


 座布団の舞の起源ははっきりしないらしい。始まったのは、実は比較的最近のことだとも聞く。


 そうだとすれば、先日、書いた折田先生像id:yinamoto:20070310)と同じく、我々は新しく儀式が生まれ、定着していくところに立ち会っているわけだ。
 それも、「○○市にぎわい祭」の類の、お膳立てされた嘘くさいものではなく、自然発生的なやつが。


「危険だからやめるべきだ」というご意見もあるだろうが、賛成できない。それは物事を窮屈なほうへ運ぶ意見だからだ。


 だんじり祭や諏訪大社御柱の祭のようなもので、「そういうことも起こりうる」という態度でいるのがいいと思う。
 野球場の内野席にネットはいらない。枡席のご老人は、まわりが守るべし。


 えー、川柳をひとつ。


   横綱が負けて審判首ちぢめ

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「今日の嘘八百」


嘘三百七十八 ゴルゴ13はライフルで狙いを定めながら産道から出てきたという。


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