古くなったメディア

 当時、ファックスやワープロのラブレターをショックだ、と感じたのは(いや、実際に受け取ったわけじゃないですが)、たぶん、ファックスとワープロがその頃の新しいメディアだったからだろうと思う。


 今、もしファックスがジコジコ紙をはき出して、それがラブレターだったら、案外、おもむきがあるかもしれない。


 ワープロで印字されたラブレターも、「なぜにワープロ?」と疑問は覚えるだろうが、ショックということはない。


 不思議なもので、先端のメディアにはどこか冷たさがある。古くなったメディアには温かみが出てくる。人間の情というものがそもそも古くさいからだろうか。


 古くさいといえば、電報なんていうのは相当、古い。
 夫婦の方は、会社で遅くまで働いている旦那さんなり奥さんなりに、こんな電報を打ってみてはどうか。


コイシイ スグカエレ


 受け取ったほうは軽くシヌね。きっと。

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「今日の嘘八百」


嘘三百三十四 北千住のおでん屋で、汁の底に戦前のものと思われるゴボウ巻きが見つかった。


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