ファックスとワープロ

 仕事先で、最近、ファックスをあんまり使わなくなった、という話になった。


 そこはソフトウェアの会社なので特にそうなのかもしれないが、言われてみれば、わたしの家のファックスもこの頃、あまりジコジコ紙をはき出さない。


 たいていのことはメールやサーバでできるようになったからだろう。


 ファックスが企業に普及したのは、きちんと調べたわけではないが、1980年代だと思う。
 わたしがファックスの使い方を覚えたのは就職したときで、1990年頃だ。ちゃんと送れたか不安で、「届きましたか?」とわざわざ先方に電話したものである。


 人間、くだらないことを覚えているもので、当時、会社の友達と「ファックスでラブレターもらったらショックじゃね?」、「ショックだ」なんてことを話した。


ワープロだともっとショックじゃね?」
「ショックだ」


 えーと、若い人のために書いておくと、ワープロというのはパソコンのソフトウェアのことじゃなくて、そういう機械があったのだ。
 プリンタがついていて、打った文字をテープか何かでジコジコ印字していく。


 これまた1980年代に普及し始めた。1990年代にはパソコンによって、あっという間に蹴散らされてしまった。