しかしまあ、なぜにこうもよくコケるのかと思う。
昨日も、コケたわけではないが、店に入ろうとして自動ドアに鼻先をブツケた。眼鏡が斜めにズレ、女の店員に、
「大丈夫ですかっ?!」
とやけに大声で心配されたものだから、店中の注目を集めてしまった。
思うに、何か考え事をしているか、あるいは逆になーんにも考えていないかの、どちらかのせいじゃないか、と思う。
体の動きはもっぱら脊髄あたりの反射にまかせていて、またこの脊髄あたりというのがたよりにならない大間抜け。そのせいで、地面の変化に体が気がつかず、コケるのかもしれない。
そういえば、わたしは普段、頭だけが存在するかのように勘違いしているフシがある。
自分=頭。
だから、よくコケたり、出入り口で肩をぶつけたり、何かのへりに足の小指をぶつけたりする(また痛いんだわ、足の小指をやると)のだと思う。
つくづく、スパイとダンサーには向かない人間だと思う。
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「今日の嘘八百」
嘘二百八十 旗本退屈男も、実は登校途中にコケたのだそうだ。