若けりゃいいのか

 東京二十三区の中で、色っぽい女が一番多い区はどこか?


 答は、【豊島区】(←文字を反転してください)。


 のっけから、ドーモスイマセン。


 今はこう、全般に「若いことが素晴らしい」という風潮があって、わたしなぞ、フン、と斜め上方を見上げてしまうのだ。


 別に自分の年齢のせいばかりではない。
 そりゃ、若いから素晴らしいというケースもある。しかし、あまりこう、「若くていいねえ」とか、「いつまでも若く」とばかりやられると、世の中、もっといろいろだろうが! と思うのだ。


 男が女を見る目も、スケベ心方面のマナザシでは、若いことをよしとする傾向が強いようだ。
 まあ、中には「日露戦争を体験した世代でないと、コーフンしません」という人もいるかもしれないが、あまりに特殊なケースは捨て置く。


 男ばかりではない。女のほうだって、化粧品や健康関係の広告を見れば、やたらと若さに惹かれていることがわかる。その中には、大なり小なりスケベ心が混じっているはずだ。


「熟女」という言葉もあるが、今イチこなれていない。無理に作ったにおいがまだ残っている。
 スケベな感じはするけれども、色っぽさがあまり感じられず、好きな言葉ではない。


 なぜずばり、「年増」という言葉を使わないのだろうか。


「年増」という言葉を、「オバハン」に近い感覚で捉えているとしたら、チッチッチ。まだまだ若いぜ、キミぃ。