わたしは笑っているのか

 ところで、植木等の無責任ものだが、陽気で楽しい映画ではあるが、笑えるかというと、よくわからない。
 映画を見ている間、わたしは、実は全然笑っていないかもしれない。


 フランキー堺の「幕末太陽伝」(傑作。この作品にもペーソスはない)もそうだ。フランキー堺の動きは軽快で実に楽しい。しかし、口に出して笑えるほどのシーンは、ほとんど思い当たらない。


 まあ、わたしは、映画を見るとき、たいがい、ヨッパラってパーになりながら見るので(至福のときだ)、自分がどんな表情をしているのか、よくわからないのだが。


 ともあれ、別に笑えなくとも、陽気で楽しい気分になれれば、それでいい。と、国会で青島幸男が決めたのだ。