選択のとき

 昨晩の民放ドラマ・映画は大変なことになっていたようである。


「ようである」というのは、わたし自身はテレビを見なかったからで、今、新聞のテレビ欄を見ながらこれを書いている。


 まず9:00にテレビ朝日で「7人の女弁護士」というドラマがあった。
 9:24には、テレビ東京で「新極道の妻たち」が放送された。


 ドラマ好き、映画好きの人は、ここで弁護士を取るか、ヤクザを取るか、という選択を迫られたわけである。


 この他に9:00からTBSで「渡る世間は鬼ばかり」があったが、これはまあ、勝手にやっていてもらおう。


 続いて、10:00からTBSでは「弁護士のくず」というドラマがあった。
 女弁護士の後で、今度はクズ弁護士のドラマを見られるわけで、弁護士ファンにはたまらん一夜であったろう(世の中に弁護士ファンがどの程度いるのか知らんけど)。


 一方、同じ10:00にフジテレビは「医龍」という医者が主人公のドラマを放送した。


 今度は、弁護士を取るか、医者を取るか、という選択を迫られたことになる。まるでインチキくさい結婚相談所の広告である。


 ドラマ・映画はザッピングしてあちこち見ていてはストーリーがわからなくなるだろうから(「渡る世間は鬼ばかり」を除く)、ドラマ好き、映画好きには、なかなかに苦しい選択だったろうと思う。


 弁護士を取るか、ヤクザを取るか。弁護士を取るか、医者を取るか。


 いっそまとめてしまって、ヤクザが極道の妻たちに撃たれて、治療した医者が医療ミスで死なせてしまい、極道の妻たち7人の女弁護士が弁護して、医者を弁護士のくずが弁護しようとしたけどくずだけあってさっぱり役に立たず、事務所に泉ピン子が出前を運んでくる、と、そんなストーリーだとどうだろう。お坊さんのドラマもあれば、完璧だったのだが。


 そうして、最後に筑紫哲也が出てきて言うのだ。「今日はそんなところです」。


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「今日の嘘八百」


嘘百七 おれの肖像権、売るよ。