アナウンサー

 トリノ・オリンピックのスノーボードハーフパイプの中継を見ていて、違和感を覚えた。
 アナウンサーが生真面目すぎるのだ。


 スノーボードの、特にハーフパイプのような競技は、スケボーなんかと同じで、元々、悪ガキっぽい遊びだったのだと思う。
 悪ガキっぽさを愛する人々の遊びというか。


 いや、本当の悪ガキで、選手の間で陰惨なイジメがあるなんていうのは、困るけれども。


 何つーんですかね、ナイスな悪ガキが愛されるんじゃないっスか、ああいうのは。


 まあ、オリンピックを頂点とするような国家的競技スポーツの世界に入れば、ある程度、角が丸められてしまうのはしょうがない。


 それでも、競技の前後を見ていると、選手達にはまだナイスな悪ガキっぽさを愛する風が見える。


 担当のアナウンサーの名前は知らないが、声を聞いていると、たぶん、アテネ・オリンピックの体操男子団体で、「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!」 とやった人だと思う。


 別にあのアナウンサーが悪いわけではなく、アナウンサーのタイプが合う競技、合わない競技があるのだと思う。
 放送局側のマネジメントの問題なのだろう。


 ところで、アテネのあのセリフは、冨田がフィニッシュで鉄棒から手を離した瞬間に発せられた。着地でコケたら、どうなっていたのだろう。


伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ……った、はず。


 五輪中継史上、最もだらしないアナウンスとなったかもしれない。惜しいことをした。


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「今日の嘘八百」


嘘五十七 日本たばこ産業が、日本まやく産業に改名する。