粛々としてカッコよく

 わたしは、自分でやるのが苦手なせいか、一糸乱れぬ集団行動を目にするのがあまり好きでない。


 マスゲームとか、軍隊の行進を見ると、ついブーイングしてしまう。いや、誇張ではなくて、本当にBoooo!とやるのだ。半ば、自分でも意識せずに。


 しかし、例外的に好きなものもある。東京地検特捜部の人々が、疑惑の企業とか政治団体のところに乗り込む姿だ。
 粛々としてカッコよいと思う。


「昭和残侠伝」の最後で、高倉の健さんがドスを片手に粛々と相手の本拠へと歩いていく。途中で、池部良が「ご一緒させていただきやす」と脇から出てきて、ふたりして無言で歩く。


 あのカッコよさに通じる。


 なぜカッコよく感じるのか、自分でもよくわからない。
「正義」とか「使命感」のようなものを感じるからか。


 普段、そういうものは疑ってかかるようにしているのだけれども、わたしも水戸黄門体質なのかもしれない。


 ま、そんなことはどうでもよい。自分で書いておいて何だけれども。