踊り場

「踊り場」という言葉、あらためて見直してみると、楽しそうだ。


 なんたって、階段を昇るか、降りるかしてきて、あのやや広い場所に立った瞬間、踊り出すのだ。
 そんな習慣が世の中にできたら、さぞや素敵だろう。


 階段を昇る。踊り場に達すると、課長も踊る。部長も踊る。OLも踊る。新入社員も踊る。係長も踊る。掃除のオバサンも踊る。社長も踊る。社外取締役も踊る。
 実際に踊る時間は5秒でいい。そんな会社があったら、ぜひ見学したい。


 あるいは、生徒手帳に「階段の踊り場では必ず踊ること。」という校則を載せる学校があったら、寄付しちゃうよ。


「踊り場では必ず踊る」。
 日本がそうなったら、さぞや陽気でいい国になるだろう。いっそのこと、憲法とやらに書いといてくれ。


 ケーザイセーチョーリツなんて、本質的にはどうでもいいじゃないか。
 問題は「踊り場」だよ。