「最近の若い者は〜」という言葉が出ると、まずたいてい、その後に悪口が続くのだが、わたしは「最近の若い者は結構、ちゃんとしてるなあ」と思うことも多いのである。
近所のコンビニで若い兄ちゃんが働いている。
金髪でピアスを4つもつけているのだが、この兄ちゃんの愛想がすこぶるよいし、テキパキとしている。働いている様子も、なんだか、楽しそうだ。
他にも、男女何人かの若い店員が交代で働いている。チンタラしているのはひとりもいない。
世慣れているというのとはちょっと違うが、レジでやりとりすると、店員と客のポジションをよくわかっているように見受けられる。
翻って、自分が二十歳頃を思い返すと、どうも分が悪い。
家でごろごろしているか、大学の音楽サークルの部屋でベースを弾いているか、どっちかだったと思う。
大学の授業も、出ないとまずいものだけしか出なくて、向学心というものがまるでなかった。
アルバイトもしていたが、あまり熱心ではなく、全体に夏のアスファルトの上に落ちたソフトクリームのような、ヘチャついた態度だったような気がする。
うーん、どうなのだろう。全般に最近の若い者はちゃんとしているのか。
それとも、「最近の若い者」の中にも、夏のアスファルト・ソフトクリーム・ヘチャつきタイプはいて、しかし、あまりにやる気がないものだから、目にしないのか。
確かに、わたしはあまり一般人の目には触れなかったはずだ。まるで、庭の石をはがすと裏側にくっついている虫である。
あ、わたしを、わたしの世代の典型にしてはいかんか。それでは、同世代のちゃんとした人々に申し訳ない。
聞きかじりのうろ覚えだが、アリにも1割だったか、3割だったかは、チンタラして、あまり働かないやつらがいるらしい。
アリにも人にも、一定の割合でチンタラ集団が存在するのかもしれない。