圧力団体

 わたしの趣味は圧力団体をつくることで――といっても、ここ数ヶ月の趣味だが――これまでに「グリーンのビラビラ追放委員会(GBITI、グビチ)」、「観光写真におけるピース追放委員会(KSOPTI、クソプチ)」というのをつくった。


 圧力団体といっても、構成員は少ない。
「グリーンのビラビラ追放委員会」では、コメント欄に書き込みをしてくれた方二名を、こちらで勝手に副委員長、副々委員長に任命した。
「観光写真におけるピース追放委員会」に至っては全く反響がなかったから、構成員はわたしひとりだ。いわば、ひとり圧力団体である。


 しかし、構成員の人数は問題ではない。
 男にはひとりでも敵に立ち向かわねばならぬときがある、ということを、わたしはガキの頃、薬師丸ひろ子を背負い、兵器群に向かって歩んでいく「野性の証明」の健さんの背中から学んだのだ。


 で、今日の圧力団体だ。こういうものをつくることにした。


川淵三郎日本サッカー協会会長の川淵キャプテンという呼び方はもの凄く気恥ずかしいのでやめさせる市民の会」


 略称は、えーと、「KSNSKKKCYMKYSK」か。
 やたらとKが多いな。途中でKが三つ並ぶところがあって、誤解を招くかもしれない。CMYKが入っていて、印刷の色指定みたいでもある。
 無理矢理音にすると、「クスンスクククシィムキィスク」。シベリアの地名をメチャクチャにしたみたいだ。


 活動内容だが、なにしろ、さっき思いついたばかりの圧力団体だから、まだ決めていない。
 できれば、国民投票にまで持ち込みたいところだが、それもなんだか面倒くさい。


 とりあえず、寝る前のお祈りの中に願いをひとつ加えておくことにする。まずは身近な、自分達にできることから始めましょう、というのは「市民の会」の類の王道である。


 どうも、腰砕けで情けないが、上に立つ人間(ひとりなので下で踏まれる人間でもあるのだが)が情けないと組織も情けなくなる、という証左だろう。


 本当に腰の据わった圧力団体は全然違う。わたしはこれこそ、圧力団体らしい圧力団体だと思う。


真の圧力団体


 こういうリッパな圧力団体を見ると、腰砕け会長としては、「ドーモ、シィマセン」と、コソコソ逃げ出したくなる。


 が、千里の道も一歩から。わたしはいつも三歩目くらいで疲れてしまうのだが、それは置いておく。川淵会長が「川淵キャプテン」と名乗るのをやめる日が訪れるまで、地道に祈り続けようと思う。


 なお、KSNSKKKCYMKYSK会長としてのわたしを、これからは稲本キャプテンと呼ぶように。


 ああ、恥ずかしい。


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