隅田川近辺

 土曜日に自転車で東京スカイツリーまで行ってきた。
 おれの住んでいる目黒区からだと五反田から三田を抜け、銀座、日本橋と東京の中心部を横断する形となる。片道1時間半ほどである。
 走りながらそれぞれの街の感じを味わう。銀座はやはり華やかである。日本橋あたりの整然と落ち着いた雰囲気もなかなかいい。江戸通りに入って蔵前、駒形と隅田川が近づいてくると何か街の雰囲気が東京の西のほうと違って感じられる。距離にしてせいぜい十数キロ、建築の工法だってさして変わらないだろうに、少し不思議である。建物の建った年代が違うのだろうか、それとも東のほうに来た、隅田川だという思い込みでそういうふうに感じてしまうのだろうか。
 東京スカイツリーは意外と落ち着いた感じだった。あれだけ大きなもので真新しいからさすがに街となじんでいるとまでは言えないが、浮いているふうではなかった。低層の地域に建てるから圧迫感を与えないような色、形に工夫したと聞いたことがある。
 高いところから見る景色にさほど興味がないので、展望台にはのぼらず、ただまわりをぐるっと回ってきた。周囲は普通の私鉄沿線の街である。
 当然ながら、近くに行って下を走ると東京スカイツリーは目に入らないのであった。