小学生の夢

 小学生男子の、将来なりたいものベスト3は、野球選手、サッカー選手、学者・博士で、ここ何年か変わらないのだそうだ。


→ 第一生命 ニュースリリース(2007年ミニ作文アンケート「大人になったらなりたいもの」)


 その他、順位は年によって変わるが、お医者さん、大工さん、警察官・刑事、食べ物屋さんといったところが上位に入るという。


 いずれも専門職であって(食べ物屋さんというのは、具体的にはお菓子屋やパン屋であるらしい)、しかも人から敬意を受けるという点が共通しているように思う。


 あまり意外な感じがしない。いかにも子どもらしい夢のように感じる。


 しかし、改めて考えてみると、こういう結果を見ると、なぜ「子どもらしい」と感じるのであろうか。


 例えば、もし子どもの将来なりたいものとして、


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 があがると、とても違和感がある。


 あるいは、


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 というのも、何だか困った気になりそうだ。なぜだろう。


 一方、女の子の将来の夢は、ここ何年かの上位を見ると、食べ物屋さん(米屋も含まれるのか?)、看護婦さん、花屋さん、保育園、幼稚園の先生、獣医・飼育係といったところ。
 男の子と違って、誰かや何かの世話をしてあげる仕事が多い。


 こういう結果は生得的なものなのか、それとも文化の“鋳型”によるものなのか、ジェンダー論の人はどう考えるだろう――あ、いや、答はいいです、ハイ。すいません、すいません。


「子どもらしい」と書いたが、同じく第一生命が「大人の夢〜別の人生を歩めるとしたら〜」という、20歳以上を対象にしたアンケートも実施していて、結果を見ると、男は、医者、野球選手、学者・博士、学校・習い事の先生、公務員、食べ物屋、女は、看護師、医者、保育園・幼稚園の先生、食べ物屋、歌手・俳優・タレント、学校・習い事の先生が上位に来るという。


 大人になると、高収入とか、生活の安定という要素もいささか入るが、子どもの夢とそんなに変わらない。


 いいことなのかどうかはよくわからないが、大人にも子どもにも、「特別な存在になりたい」という願望が見え隠れしているようにも思う。
 夢とチボーを餌に物を売る仕組みの社会に住んでいるせいだろうか。