笑ってしまう

 どうもわたしは人間が干からびているのか、人が真面目に捉えるところで笑ってしまう。


 例えば、ベートーベンの第五の冒頭がそうで、例の「ジャジャジャジャーン」が鳴り響くと大笑いしてしまう。


 第五のコンサート会場で、演奏が始まった途端に爆笑して、係の人に引きずり出されるやつがいたら、たぶん、それはわたしだ。


 あの「ジャジャジャジャーン」、ベートーベンが弟子のシントラーに「運命はかくのごとく戸を叩く」と説明したというが、ホントかなあ。


 運命の人(だか神様だか知らないが)って、そんなふうにノックするものなのだろうか。
 あるいは、郵便配達の人が「ココココーン」とでもノックしたのか。受け取ったら内容証明かなんかでね、そりゃ、運命も変わるだろう。



 第九の第四楽章もダメだ。笑ってしまう。


歓喜の歌」っていうけれど、いくらなんでも、あれは喜びすぎだろう。
 いったい、何がそんなにウレしかったのだろうか。



 ベートーベンって人は、ま、面白いけどネ。いろんな意味で。

                  • -


「今日の嘘八百」


嘘三百七十二 第九第四楽章の本当のタイトルは「ナチュラル・ハイ」である。


▲一番上の日記へ