軍艦の名前には、各国それぞれ特徴があり、なかなか面白い。
アメリカ海軍は、地名、特に州の名前をつけることが多いようだ。
乗組員は配属されるとき、どういうふうに感じるのだろうか。
「君はアラバマに行け」
などと命じられたら、西部劇か南北戦争のような気分になるのではないか。
「君はフロリダだよ」
だと、リゾートに行くみたいである。
「残念ながら、君はユタだ。まあ、2年もすれば出てこられるよ」
そんなことはさすがに言わないか。
イギリス海軍は、あまり一貫性がないようだ。地名や人名もあるが、形容詞や普通名詞もある。
「インディファティガブル」なんて、指令を伝えるとき、舌を噛んじゃうんじゃないか。
「インティファ……、インディファディファ……、インディガティファ……、インディファティファティファ……、と、ともかく、出撃!」(英語でだけど)
もう退役になったが、護衛空母には「ストーカー」という、いかにもしつこそうなやつや、「チェイサー」というウィスキーのお供みたいなやつもいたという。
旧ソ連海軍には、「第二十六回共産党大会記念」とか、「ムルマンスク青年共産党員」なんていうのもあったそうだ。凄い名前をつけたものである。
「『第二十六回共産党大会記念』から砲撃! 全員、甲板より待避!!」などと指令が飛ぶのだろうか。