夏が来れば

 東京近辺では、一昨日、昨日と晴れ間が見えたけれども、今日は雨。
 バーッと威勢よく降っているわけではなく、ぼとぼとと煮え切らない雨である。


 こういう雨に降られると外出するのも面倒くさく、何をするにも億劫になる。


 といっても、わたしは一年365日、時間にすれば8,760時間、分にすると525,600分、秒にして31,536,000秒間、億劫な男なので、「億劫になる」という言い方は正確ではない。
 ただの億劫がヴェリー億劫になるのである。


 なお、億劫なので「31,536,000秒」が何万何千なのかは数えない。


 さっさと梅雨明けないかなあ、夏が来ないかなあ、などと思うのだが、実は夏が来てもあまり解決にはならない。


 というのは、ビルや家がどかしゃっと集まった大都市には、クーラーの室外機もまたどかしゃっと集まっているからだ。


 大量の室外機、あるいはビルのダクトから吐き出されるねっとりと湿った熱い空気。
 これが日本の大都市の通奏低音だ。ねっとりした不快感という点では、あるいは梅雨よりひどいかもしれない。
 爽やかな夏などというものは、今や大都市にはほとんど存在しないのだ。


 先は遠い。


 ああ億劫だ、億劫だ、と仰向けになってみる。


 心もち、畳も湿っているように感じる。


 そんな畳のやる気のなさにシンパシーを覚えて、仰向けになったまま、いっそ、これからは畳として生きていくのも一興か、と考える。


 でも、畳じゃ、家賃を払いに行けないよなあ。


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「今日の嘘八百」


嘘百七十九 そろそろ世界征服に出かけようかと思う。