運転免許試験場で肉を買うソ連の人になった

 今日は人権への配慮も、良識も捨ててかかる。覚悟するように。


 昨日、運転免許の更新に行ってきた。
 初回更新なので、二俣川の運転免許試験場まで行かなければならない。


 いや、免許を取ったのは随分前だ。普通なら近くの警察署ですませられるのだが、前回、うっかり更新し忘れて、再取得の形になってしまったのだ。


 二俣川の運転免許試験場は遠い。
 電車を乗り継いで、そこから徒歩で20分。


 更新する人がどひゃーっといて、窓口が少ない。当然、長い列ができる。
 視力検査なんぞは、誇張ではなく、50m以上の列ができ、ホールの外に出て、廊下を取り巻くような形になった。


 わたしは列に並ぶのが大嫌いで(好きな人はいないだろうけど)、レジで前に2、3人いるだけでもイライラする。


 それが50mの列である。
 旧・ソ連邦で肉を買うために列をなした人達の気持ちが、よーくわかった。


 並んでいる間は、時々、ちょっとだけ前に進む以外は何もできない。
 ヘッドホンで落語や音楽を聞いたって怒られはしないのだろうけど、警察というのは何となく、そういうことが憚られる。


 しょうがないので、あれやこれやと考えた。妄想した。小人閑居して不善を為す、というやつである。