だいぶ前に書いた覚えがあるのだけれども、日本のスポーツについての読み物、ドキュメンタリーは、「人間ドラマ」に仕立てるものが多い。
出来のよしあしはいろいろだから一概には言えないけれども、下手にやると、お涙頂戴的安物ドラマに堕してしまう。
アテネオリンピック前後なんて、テレビ局に「感動」、「感動」と押し売られて、辟易とした。
ドライな書き方(作り方)か、ウェットな書き方(作り方)か、という違いは、あまり関係ない。なぜなら、あえて乾いた語り口を使って泣かせる、というテクニックもあるからだ。
淡々とやって、フッといいところを挟むと、乾ききった喉には水がうまいように、沁みるのである。
もっとも、下手にやると、手口が手口だけにあざとく感じられる。
しかし、こういうのを読むと、人間ドラマも悪くないな、と思う。
・Movin' you. Honda 小島伸幸 番組ダイジェスト
・Movin' you. Honda 小島伸幸 インタビュー
ザスパ草津のゴールキーパー小島伸幸だ。1998年のサッカー・ワールドカップを見た人は覚えているかもしれない。
39歳の今も現役。ただし、今は故障で試合に出ていない。
上記の文章が長い、という人はこちらの2004年2月28日の項。
泣かせる。センスがいいね、この人は。話すことの。
まあ、これは人間ドラマに仕立てる仕立てないとは関係ないのかもしれない。あくまで本人の魅力のような気がしてきた。
こういう人を取り上げるときは、余計な演出はかえって邪魔になるだろう。
現在は、たぶん、プレーできるというだけで幸せなのだろう。ちょっと応援したくなりました。