ばばちゃこちん

(今日はシモとエロの話なので、その手が嫌いな方はご勘弁ください)

 関西弁ではうんこのことを「ババ」と呼ぶらしい。
 おれは北陸の生まれ育ちだからニュアンスがよくわからないけれども、おそらく、小学生が外で犬のうんこをぐにゅっとやったりすると、「稲本のやつな、今朝、ババ踏みよったで!」などと学校で大騒ぎになるのだろう。
 子供というのはたいがいシモの話だけで大笑い、大騒ぎできる。思えば幸せな年頃である。関西ローカルの子供達が東京の「高田馬場(たかだのばば)」という地名を発見したときはきっと大変な騒ぎになるのだろう。ついでに、同級生の高田くんは巻き添えをくらうのだろう。高田くんのブランドイメージは一気にうんこ化してしまうのだ。
 ジャイアント馬場は共通語に翻訳すると、「ジャイアントうんこ」である。知らんけれども、存命中、大阪でジャイアント馬場がプロレスをやると心ない野次が飛んだりしたんではないか。
 おれの関西出身の友達、馬場くんのお母さんは「文子」という名前である。ばばふみこさん。馬場くんは小学生の頃、母親の名前で随分からかわれた、いじられた、もっとありていに言うといじめられたという。馬場文子さんの旧姓は当然、別だから、結婚にあたってはいろいろと考えるところも多かったろうと思う。愛はうんこを超えたのだ。
 徳島と淡路島の方言では、女性器および女性器もからむ例の染色体交換行動を「チャコ」と呼ぶらしい。
 サザン・オールスターズに「チャコの海岸物語」というヒット曲があって、中に「♫コ・コ・ロから好きだよ、チャコ。忘れられない」という歌詞がある。徳島と淡路島ではえらい意味になる。桑田佳祐のことだ。おそらく狙ったのだろう。
 素早くインターネットで検索すると、世にはこんな店名や商品名があるらしい。
・CHACOあめみや(ステーキ屋)
・お花のヘッドアクセサリー CHACO
・CHACOサンダル
・炭火自家焙煎コーヒー 千茶古〜ちゃこ〜
etc.
 徳島と淡路島の人々にとっては困った心持ちにさせる名前だろう。
 おれの生まれ育った富山県では正座することを「おちんちんかく」という(そうだ。古い方言なのか、おれは日常で使ったことがない)。小さい子供がきちんと正座すると、「あれえ、ちゃんとおちんちんかいとるねぇ」などと褒めるらしい。
 ホトホト困った話である。