社名を考える

 おれはものすごい面倒くさがりのうえに圧倒的に実力不足なので、今もこれからも自分で会社を作ることはないだろう。しかし、もし会社を作ったらどんな社名がいいかを考えてみることはある。
 たとえば、やたらと大袈裟な名前をつけるとしたら、どんなのがいいだろう。
 すぐに思いつくのは「大日本〜」というものだが、これは実際、知人に「大日本タイポ組合」というグラフィックデザイナーの二人組がいる。文字を使っていろいろ面白いデザインをしているというか、遊んでいる人たちだ。

→ 大日本タイポ組合

 同じ方向だと「帝国」というのもある。帝国データバンクとかのあれですね。おれの職業はコピーライターだから、

帝国コピーライティング株式会社

なんていうのになる。社員はおれと事務の女の子二人、という国力豊かな帝国だ。
 デザイン事務所方面には「研究所」を名乗る会社も多い。本当に研究しているのかどうかは知らない。それで行くと、おれはプランニングもやっているから、たとえば、

大日本計画研究所

というのが考えられる。おれと事務の女の子二人でもって、大日本を計画するのだ。やはり圧倒的に実力不足である。
 チャールズ・イームズ先生の名作映画「Powers of Ten」のごとく、ものすごいスピードでスケールダウンして、「〜屋」というのはどうだろう。
 おれの性格を表すなら、

株式会社恥ずかしがり屋

などという名前になる。電話に出るとき、「ハイ。恥ずかしがり屋の稲本です!」などと答えるのだ。これは本当の意味で、恥ずかしい。電話口で「いや〜ん」などと付け加えてしまいそうである。不審人物である。
 同じように、「ハイ。照れ屋の稲本です! いやあ(ポリポリ)」など自分で勝手に照れてしまうパターンも考えられる。
 別にこれといった理由はないけれど、「桃色」をつけてみるのもラブリーでいい。

株式会社桃色コピーライティング

 皆様もこのシルバーウィーク、自分の創業する会社の名前を考えてみてはいかがだろう。結構、暇はつぶせます。